うい!管理人のアキです!本日紹介するのは漫画「男坂」の最終回です。この漫画、今では伝説的な最終回が語りぐさになっていますね。また、連載終了後も漫画史上初の"あること"を成し遂げ、最終回だけでなく作品そのものが伝説になりつつあります。
この記事の概要
- 「男坂」は構想10年の力作だったが・・・
- 前代未聞の「男坂」最終回とは?
- 2014年、漫画史上初の"あること"が!
漫画「男坂」の最終回は、大きな文字で"未完"!?
あの「聖闘士星矢」の作者が構想10年かけた漫画「男坂」
「男坂」は1984~1985年まで漫画雑誌『週刊少年ジャンプ』で連載されていました。
作者はあの大人気作品「聖闘士星矢」でお馴染みの車田正美(くるまだ まさみ)です。
出典:http://jin115.com
メモ
「男坂」連載直後に「聖闘士星矢」は連載開始しました。「聖闘士星矢」の人気は凄まじかったらしく、連載当時、車田正美(くるまだ まさみ)は文化人納税者番付第一位にランクインされるほどの収入を得ていたそうです!
車田正美(くるまだ まさみ)は「男坂」に関して以下の発言をしています。
「漫画屋にとって『オレはこいつを描きたいために、漫画屋になったんだ!』という作品がある。 デビュー以来十年有余、オレも今やっと、ガキのころから描きたかった作品を手がけている。 その喜びでいっぱいだ。 燃えろオレの右腕よ!そしてすべての試練をのり越えて、はばたけオレの『男坂』! 」
この発言から察するに、「男坂」という作品は車田正美(くるまだ まさみ)にとって相当な自信作だったことがうかがえます。
こんな発言するだなんて、ファンからしてみれば期待しないわけないですよね。
なにせ、車田正美(くるまだ まさみ)は「聖闘士星矢」以前にも「リングにかけろ」「風魔の小次郎」などの人気作品を生み出した巨匠漫画屋です。
車田正美(くるまだ まさみ)は自身を"漫画屋"と称しています。そのため当ブログでは車田正美(くるまだ まさみ)には漫画屋という名称を使います。
また、構想10年と銘打たれており、どれほど「男坂」に対する情熱があったかがわかりますね。
そんな「男坂」ですが、残念なことに打ち切りになってしまいます。
さらに連載期間は30週しかありませんでした。
つまりまったく人気が無かったのです。
はたして構想10年もかけた力作を"打ち切り"という不名誉な形で迎えた最終回はどうだったのでしょうか。
漫画「男坂」の最終回は、未完!?
ではさっそく漫画「男坂」の最終回を紹介していきます。
「男坂」のストーリーは?
中学1年生の主人公・菊川仁義(きくかわ じんぎ)が世界の脅威から日本を守るために、各地の不良を集める物語。車田正美(くるまだ まさみ)の過去作とは違い、超人的な描写が少ないのが特徴。
・・・
とは言っても、"打ち切り"なので物語は完結しません。
ですので、最終回というよりも"最後のコマ"を紹介します。
ある意味前代未聞とも言われる最後のコマがこちら!
注目して欲しいのが左下の文字。
でっかく"未完"と書いてあります。
これ、前代未聞ですよw
漫画界では読者に"打ち切り"と分からせるようなことは絶対にしません。
というか、したくありません普通は。
たとえ打ち切りであろうとも、できるだけ物語をまとめて"完結した風"に仕上げるものなのです。
しかし「男坂」は作者にとって構想10年もかけた超力作。
そんな力作が打ち切りだなんて、作者にしてみたら未練たらたらですよ
最大級の未練が最後の"未完"という文字に現れたのでした。
伝説となった「未完」
「未完」で作品を終わらせるだなんて後にも先にもありません。そのため今では伝説となっています。この最後のコマは様々なコラ画像が出回っており、いかに当時の読者にとって衝撃だったかがうかがえます。
「男坂」の失敗を元に人気作品「聖闘士星矢」が生まれた!
構想10年かけた「男坂」の打ち切り。
当時の車田正美(くるまだ まさみ)にとっては初の打ち切り作品となってしまいました。
そこで次回作は「男坂」の反省を活かして「できるだけ読者目線の作品」として構想を練ります。
そして生まれた作品が「聖闘士星矢」でした。
「聖闘士星矢」は「男坂」とは打って変わり、超人的な描写に加えてプラモデルやギリシャ神話などといった、童心をくすぶられるストーリー設定になりました。
このようなストーリー設定が功を奏し「聖闘士星矢」は大・大・大ヒットしました。
失敗は成功のもと!
作者の「男坂」の情熱は衰えず、ついに2014年にはなんと・・・!!
車田正美(くるまだ まさみ)の「男坂」に対する情熱は衰えることはありませんでした。
車田正美(くるまだ まさみ)はジャンプ・コミックス3巻にて以下のコメントを寄せています。
読者の熱い支持を得られれば、すぐにでも連載を再開したい
また、文庫版のあとがきには以下のコメントも寄せています。
『男坂』に対する作家としてのオレの決着(けじめ)はまだついていない
相当未練がありますね・・・。
そして連載終了(打ち切り)から29年後の2014年、事件が起こります。
出典:http://ebook.itmedia.co.jp/ebook
なんと、「男坂」が連載再開したのです!!
まさかおよそ30年ぶりに連載再開するだなんて誰が予想していたでしょうか。
車田正美(くるまだ まさみ)は「聖闘士星矢」をも描き上げ、もはや漫画なんて描かなくても食っていけます。
にもかかわらず「男坂」を再開させるあたりが好感持てますね。
出典:http://jumpbookstore.com
あくまで"連載再開"なので、30年前に終わった3巻の続きの4巻から始まっています。
連載再開にあたって、車田正美(くるまだ まさみ)は以下のコメントを寄せています。
不安はないね。俺は全力で描くだけ。それに、楽しくてしょうがないんだ。『男坂』は、もう仕事だとか、それこそ金のためにやってんじゃないんだよね。楽しいから描いてるんだ。もちろん、ものすごく力入れてるし、ネームも構図も、直して直して、時間もかけてるけど、疲労感もない。楽しくてしょうがないんだ。そこに尽きる。
おわりに
漫画「男坂」の最終回、いかがだったでしょうか。
およお30年ぶりに連載再開だなんて、漫画史上初なのでもはや伝説ですよね。
おそらく「男坂」が連載再開できたのは「聖闘士星矢」という大人気コンテンツを生み出したことで、作者の車田正美(くるまだ まさみ)が確固たる地位を確立したからだと思います。
そして「聖闘士星矢」というのは「男坂」の失敗をもとに生み出された作品。
つまり
どんなに失敗しても、失敗を糧にすれば、どんな失敗も取り返せる!!
ということですね。